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トマトのふるさとは、南米アンデスの高地。
16世紀にばれいしょとともにヨーロッパへ渡りました 。
グルメなヨーロッパ人たちは 食卓を鮮やかに彩るトマトを大歓迎…と思いきや、「未知の大陸からやってきた異臭を放つ植物」と冷遇した時代もあったとか。とはいえ、その魅力がわかってからは積極的に栽培に取り組み 、南欧では加工用、北欧では生食用の トマト栽培が盛んになりました。
17世紀、大航海時代の波に乗ってトマトもはるかな海を越えてアジアへやってきます。日本に持ち込んだのは、ポルトガル人ともオランダ人とも伝えられています。
トマトが初上陸した当時の日本は、江戸時代。
「唐カキ」「珊瑚ナス」「唐ナスビ」などと呼ばれたようで食用にはあらず、なんと観賞用だったとか。(な~んてもったいない!)でも、当時のトマトは現在市場に出ているものに比べ、色がぐんと濃い赤で、香りも酸味も強かったのだそう。淡泊な味覚に慣れた江戸っ子たちにはどうも刺激が強すぎたようです。
トマトが日本で一般的に食べられるようになったのはぐっと時代が下って、明治の後半頃からといわれています。
フランスでは「愛のりんご」イタリアでは「黄金のりんご」と呼ばれているトマト。 アメリカではかつてトマトが野菜か果物かで裁判がおこったこともあるのだとか。植物学の分類では果実、つまり果物とされるトマトですが日本の農産物の分類では「木になるのが果物」と決められているそうで、トマトは野菜に分類されています。つまり、いろいろな説がある不思議な植物なんですね。
ただ、日本でも世界でも、一般的には野菜として認識されているようです。
いまや毎日の食生活に欠かせないトマト。日本の風土で栽培しやすく、また、日本人の味覚や嗜好により合うように研究や品種改良が進められ毎年のように新品種が登場しています。
おなじみのものを紹介すると
日本の市場で一番多く出回っている生食用トマト。
「桃色系」トマトに分類される完熟型で、保存性にすぐれ、果肉がしっかりしています。
果実の先端が尖っていて、冬トマトの代表品種としてもてはやされた時代もあります。
果肉がしまって肉くずれが少なくサラダにぴったり。
甘味が強いミニトマトの品種。病気に強く栽培しやすいので、家庭菜園でも大人気です。
フルーツトマトというのは品種ではありません。完熟小型系のトマトを、栽培方法の工夫によって糖度や酸味をバランスよく仕上げたフルーツ感覚の高級トマトが一般的にこう呼ばれています。
トマトと相性のいい食材は星の数。中でも一緒に調理すると絶妙のおいしさになる食材をご紹介します。
おなじみのものを紹介すると
生食用またはさっと湯通ししたタコをブツ切りにして、湯むきしたトマトのブツ切りとあわせ、お好きなドレッシングで簡単サラダ。
和風でも洋風でもいけますぜ、これは!
トマトソースで煮たチキンは鶏独特の臭みが消えて、ヘルシー度が一段とアップ!
バジル、パセリなどハーブをたっぷり加えて香りもアップ。
調味ソースとチーズの組合せは定番中の定番ですが、生のスライストマトとチーズの組合せもなかなかのもの。
冷たいままサンドイッチにしても、オーブン料理にしてもOK。それぞれに違った風味を楽しめます。
トマトのリゾット…などと気取らなくても、残りご飯で簡単なトマトおじやはいかが?みじん切りにしたタマネギ、ベーコンを鍋でいため、水を加えて市販のコンソメを加えて一煮立ちさせ、たっぷりのざく切りトマト(生でも水煮でも)とご飯を加えて煮込みます。残り野菜やたまごを入れてもいいですね。
- 昆布と同じうま味成分「グルタミン酸」が含まれていて、ソースなどに使う事により、一緒に煮込む材料のコクとうま味を引き出します。
- クエン酸やリンゴ酸といったトマトの酸味が、脂っこさを押え肉や魚の臭いを消してくれます。
- 自然のおだやかな酸味とうま味が素材の持ち味を引き出し、塩をあまり入れなくても深みのある味わいに仕上がり、減塩にピッタリ。
- トマトの赤い色は食卓を明るくし、さらに食欲をそそります。
生で食べるのもおいしいですが、栄養素がぎゅっと凝縮されたトマトジュース・トマトケチャップ・トマト素材などを上手に使って、さらにバランスの良い食事を。